NHK朝ドラ「風、薫る」の誤った考証を見逃そう
やはり作者や脚本家の不勉強が目立つ。 そしてその朝ドラの考証担当者(未知)の調査不足も数多くある。 しかしながら、それらをことさらにあげつらい、誤りをするまでもない。 *「降る雪や明治は遠くになりにける」(中村草田男) だから。 「明治は遠くになりにける」と は、単なるノスタルジーではなく、 失われつつある明治時代への痛切な寂しさである。明治の初期、看病婦として蔑まれ、そして病院などでも無理解にさらされた女性たちが一念発起して、看護婦として成長する草創期の「今後学への熱い思い」にチャチャを入れたくないからである。 むしろ、ドラマ中で活躍する 日本近代看護教育の最初期を支えたスコットランド人看護師 アグネス・ヴェッチ(Agnes Veitch)の教えに共鳴するからである。 平尾真知子氏の力作「 エディンバラ王立救貧院病院とアグネス・ベッチ」が唯一の Agnes Veitchに関する論文だけに、彼女をめぐる様々なepisodeや経歴に関する追加記事、あるいは平尾氏の書き残した点など、落穂ひろいにすぎないけれども、機械があれば、我が調査ノートを紹介したい。