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How Did Oozeki Chika(大関和) Create “Japanese Nursing”?ーーThe Logic of Practice in Kangofu Hashutu Kokoroe

  How Did Oozeki Chika Create “Japanese Nursing”? The Logic of Practice in Kangofu Hashutu Kokoroe (看護婦派出心得) Abstract Oozeki Chika (1858–1932) is widely recognized as a pioneer of modern nursing in Japan and of early nursing education. This paper proposes a different perspective on her historical significance. Rather than viewing Oozeki primarily as an educator who introduced an already established model of modern nursing into Japan, I examine how she responded to concrete problems encountered in everyday nursing practice and how those responses were transformed into professional knowledge, educational materials, organizational norms, and eventually institutional forms. The central source examined here is Kangofu Hashutu Kokoroe ( Guidelines for Dispatched Nurses ), first published in 1899 and subsequently revised through six editions up to 1919. The text contains remarkably detailed instructions concerning communication with patients, oral hygiene, injections, responses to minor...

大関和の「日本式看護」論 ――『看護婦派出心得』にみる現場のロジック

<議論のチャート> 欧米の看護を学ぶ → 日本の現場に入る → 現場で「ずれ」が生じる → 大関和が一つずつ処理する → その経験を言語化する → 『心得』になる → 教育される → 組織化される → 日本の看護職として定着する  <我々の議論の前提> 大関和は、既に存在していた「看護」という職業を説明したのではない。患者を前にして繰り返し発生する問題を一つずつ処理することで、「看護とは何をする仕事なのか」というロジックそのものを作っていった。  『看護婦派出心得』を一覧するだけでも、大関和は抽象的に「看護婦はこうあるべきだ」と説く啓蒙家ではないと気付くはずである。彼女が繰り返し考えているのは、 患者が眠れないとき、看護婦はどうするのか 患者とどういう距離で話すのか 何を話してよく、何を話してはいけないのか 医師の指示をどう実行するのか 注射の前に何を確認するのか 手術患者が怯えているとき、看護婦自身はどう振る舞うのか 夜勤・睡眠をどう管理するのか 病家で空いた時間をどう使うのか 看護婦の不品行が発生した場合、看護婦会はどうするのか という「その場でどう判断し、どう行動するか」であった。 なお、本稿は、山本智子先生(福岡看護専門学校)のご示唆と看護教育観に関する対話の中から、アイディアを得て執筆に着手したことに深甚の感謝を申し述べたい。しかしながら、本稿の誤り・無理解などはすべて本論者の責任に帰す。 ************************* 大関和は「日本式看護」をどう作ったのか ――『看護婦派出心得』にみる現場のロジック はじめに――大関和は何を「作った」のか 大関和(1858―1932)について語るとき、私たちはしばしば、彼女を日本の近代看護の先駆者、あるいは看護教育の先駆者として位置づける。確かに、それは間違いではない。しかし、そのような人物評価から出発すると、一つ重要な問題が見えなくなる。 大関和は、いったいどこから「看護」を作ったのか。 ここでいう「作った」とは、もちろん、彼女が一人で近代看護制度を創設したという意味ではない。近代看護の成立には、欧米の看護思想、宣教師、医師、病院、看護学校、教育者、行政、そして国家制度など、多くの要素が関わっている。しかし、制度や思想が存在すれば、それだけで患者の前で看護ができるわけではない。患者は教科書...